FX経験者のつぶやき〜FX相場を語る〜

びっくりした・・・

5月に入り為替市場はレンジ取引につかまり方向感を出せない期間が長かったが、先々週辺りからそろそろどちらかに抜けそうな展開となりつつあった。
しかし、先週前半は結局レンジ相場を踏襲したことから先週末の米雇用統計によって相場がどちらかに放れる可能性が高いことは予想できたが、原油相場が128ドル台から139ドルまでの上昇を見せるとは想定外もいいところである。
米雇用統計が悪化、米株式市場が売り込まれる、とここまでは理解できるが、この後の原油が10ドル近くの急騰となっており、ここが理解できない。

 

株式市場の下落は経済活動の鈍化を先行することになり、経済活動が鈍化すればエネルギーへの需要が減退することによって原油価格は下落するというのが教科書的な相場の動きへの説明である。
相場のことなので理由を考えても買いたい参加者が多かっただけと言えばそれまでであり、予想が付かないから相場ではあるものの、この原油価格の急騰は相当に根が深いのかもしれない。
(相場のことは相場に聞けとの格言があるが、今回の上昇で聞く能力の限界にあたっている。)原油を合わせた資源価格の高騰を背景としてユーロ高によって資源価格上昇を抑えているはずの欧州圏にとっても現在の物価上昇は目標値の2%を大きく越えたところにあり、とても許容できる範囲ではない。

 

昨年来、米国発の金融不安によって米国は矢継ぎ早の利下げ、引締めを目指していた欧州中銀も利上げを封印していたが、先週の欧州中銀理事会後のトリシェ総裁発言から欧州は早い時期に利上げを再開するとの予想が増えている。
また年末にかけて欧州利下げを予想する向きも多かったが、利下げ予想は急速にしぼみつつあると思われ、夏場にかけて利上げ、その後はしばらく中立と言うのが市場の大方の予想のようである。

 

ドルに対する不信感は昨年来、続いていたが3月以降は急速に米経済に対して楽観的な見方が広がり、ドルを買い戻す動きにつながっていた。
しかし、米雇用統計が大きく市場の予想を下回ったことで、市場は再び米経済悲観論へと傾いている可能性が高いと言える。
一部には米国は莫大な借金を帳消しにするためにドル安を放置するとの見方もあったが、バーナンキFRB議長のドル高歓迎の発言に市場の悲観論が後退した矢先の米雇用統計悪化であったため、市場はカウンター的なドル売りとなりドルの投売りにつながったのかもしれない。
ユーロドルは1.58台後半と4月の1.6020の高値をうかがうレベルまで上昇してきており、原油に続いてユーロの史上最高値更新の可能性が非常に高いと言える。

 

またドル円については円の消費者物価の伸びは相変わらず鈍く、これだけ生活物価が上昇しているにも関わらず、消費者物価指数が伸びないのは指数の取り方に何か間違いがあるのではないかと裏読みしたくなる。
ドル円は週末に106円台から104円台後半まで急落したが、104.50を割り込むまでは今のところレンジの下限に近づいているだけといえる。
ユーロドルの上昇がユーロ円を持ち上げており、円キャリートレードの復活的な値動きであることは確かであるが、今回は中東の地政学的リスクはドルに対する売りにつながることから、ドル円についても下値模索ステージに変わった可能性もある。

 

テクニカルには106円台に乗せたことにより、未だドル上昇のトレンドであると言えるが、106円台に載せたことがだましであった可能性も高く、ドルへの楽観的な見方は避けるべきであろう。
今後の展開としては原油次第と人任せにしたいが、どちらか一方を選べといえばやはりドル売りを選びたい。
何度も行っているが相場は下落するときのスピードが非常に速く、ドル円についてもドル下落となると早い値動きにつながる可能性もある。
但し、円についてはユーロほど楽観的にはなれず、世界中の通貨でユーロ一人勝ちの可能性は以前より上がっているように見える。
ドル円は100円手前のサポートを割り込んできた場合要注意である。

ドル円

先週木曜日に昨年7月の123.67から引いた抵抗線を試す場面もあったが、結局週末には104円台で引けた事から抵抗線に跳ね返された格好となっている。
とはいえ103.50近辺には一目均衡表日足雲上限があり、この103円台中盤を下抜けない限りはテクニカルには買いサインが続行となる。
但し、106円台を見たものの104円台入りはドルロングにかなり分が悪い状況となりつつあるように見える。
104円を割り込むようならロングは一旦あきらめるべきかもしれない。
もっともユーロ円が値を上げているところを見るとドル円の下落となっても、かなりゆっくりしたペースとなるのではないか。

ユーロドル

4/22に付けた史上最高値1.6020からの抵抗線が1.5750近辺にあり、週末の相場でこの抵抗線を上抜けた形となっている。
ドル円で106円台を見せたようなだましの可能性も否定できないものの、ユーロの来月の利上げ観測などを考えると本格的に高値を試す可能性が高いと思われる。
前回高値である1.5820を越した段階でユーロロングへの転換を考えるべきと思われる。
もちろん今後の株価や原油価格に左右される場面も多いと思われるが、米ダウ平均株価が雲を下抜いたことで株式市場への悲観的な見方が先行する可能性がたかい。
株価下落=リスク回避の円買いが今までのパターンだが、ユーロ買いにつながる可能性もあるのでは。
高値掴みは怖いが日足雲上限をストップロスに設定してユーロ買いで入ってみるべきかもしれない。